寿司職人の見ている重要な場面

かつて南青山のお寿司屋さんで働いていた時のことを少し話してみたいと思います。

1988年当時私はまだまだ若く物心も全くついてなかったのですが、運よくこのお寿司屋さんは

慢性的な人手不足の状態でしたので鮪とあなご以外の下処理など徹底的に叩き込まれました。

ちなみにこちらのお寿司屋さんは今はありませんが、その当時は巨人の王選手、長嶋選手が神

宮球場の試合の帰りに寄ったりしていたけっこうな高級店でしたので、魚自体もビッカビカの

活〆や産地ブランドがついている単価の張るネタたばかりを裁かせてもらっていたので、つま

み食いは最高に楽しみでした(笑)

夏の走りには墨イカの新物で握り一貫に二杯のイカを乗せるなどマイクロサイズのイカは甘く

ておいしいんですが握り一貫で二千円いただいていました(汗)

他にもこはだの新子というネタも裁くのが、あり得ないほど困難で金魚くらいの大きさなので

鮨一貫に二匹乗せてこれまた千五百円いただいており、こちらのお店の大トロ、ウニの値団帯

の素材を裁かせていただきとても勉強になりました。

鮪は一番弟子か親方しか裁かせてもらえません、他にもあなごは何度もチャレンジしましたが

薄皮一枚残すことができず又裂きのようにミスばかりで、裁くのは先輩がやり煮込むことをや

らせていただきました(笑)

そして親方や板前が一番神経質に考えるのがお客様の食べる姿勢で、寿司を口に入れた後目を

閉じて口の中に神経を集中させ、よくかみしめて深く味わっている方へは下手なものは提供し

ないように心がけていましたが、その反対の方へは、ちゃんネタといって、あんちゃんとも言

いますが、一日二日時間が経過した古いものや、イマイチ味のノリが悪いネタから進めて在庫

消化に努めていました。

本当に味がわかる人は食べ方や立ち居振る舞いを観察するとすぐにわかるので私も厨房ののれ

んの隙間からチラ見して勉強したことを覚えています。

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